中国語の勉強

中国語文法における「形態素」についてわかりやすく解説

中国語文法における「形態素」

形態素とは

 形態素(けいたいそ)とは、文法分析を行う際の文法体系における最小の意味を有する言語成分です。中国語では “词素(cí sù)”といいます。

形態素=最小の意味を有する文法単位

 

形態素の見分け方

 下の例文“我喜欢吃苹果”は“我(私)” “喜(好き)” “欢(好き)” “吃(食べる)” “苹果(りんご)”の5つの形態素から成り立っています。“我” “喜” “欢” “吃”に関しては、単音節でこれ以上再分割できないためすぐに形態素だと判断がつきますが、“苹果”は“苹”と“果が組み合わさってはじめて意味を持つため“苹果”でひとつの形態素となります。このように、中国語の形態素はそのほとんどが単音節であり、“苹果”のような多音節の形態素は非常に少ないです。

例文:我喜欢吃苹果(私はりんごが好きです)

    苹果 =4つの形態素

 

形態素の分類

自由形態素付属形態素

 形態素には単独で文を構成できる自由形態素単独で文を構成できない付属形態素があります。

自由形態素の例:“我(私)” “好(良い)” “来(来る)”  “吃(食べる)” “苹果(りんご)”など。

付属形態素の例:“也(〜も)” “很(とても)” “跟(〜と)” “衣” “白”など。

定位形態素非定位形態素

 文法上の形態素の位置に関しても、固定される形態素とそうでない形態素で分けられます。形態素が別の形態素と結びつく際に、位置が固定される形態素を定位形態素といい、位置の固定されない形態素を非定位形態素といいます。

定位形態素の例:“吗”は常に「〜 吗」という形で後ろに置かれる。前に置かれることはない。 

非定位形態素の例:“学”は“习”と結びつく際は“学习”となり前に置かれるが、“文”と結びつく際は“文学”となり後ろに置かれる。

自由形態素は全て非定位形態素で、付属形態素は定位形態素と非定位形態素の両方がある。

 このように形態素は文法体系におけるもっとも基本的で最小の意味を有する文法単位です。そして、この文法を語る上で極めて重要な形態素の一つ上の文法単位が「語」です。